冬キャンプの「手」は大丈夫?用途別ガイドへようこそ
空気が澄み渡り、星空が美しく輝く日本の冬キャンプは、格別な魅力がありますよね。
しかし、その魅力を存分に楽しむためには、徹底した防寒対策が欠かせません。
特に「手」の寒さ対策を甘く見てはいませんか?
「手袋一つあれば十分」と考えているなら、少し待ってください。
実は、それが冬キャンプの快適さを左右する大きな落とし穴かもしれません。
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知っておきたい基本 なぜ手袋は「一つ」ではダメなのでしょうか? |
このガイドでは、日本の厳しい冬キャンプを快適に、そして安全に乗り切るために不可欠な「3つの用途別グローブ」について詳しく解説します。
設営用、料理用、就寝用、それぞれに最適なグローブの選び方から、賢いレイヤリング(重ね着)術まで、あなたの冬キャンプをサポートする情報をお届けします。

なぜ3種類必要?冬キャンプの活動別グローブ徹底解説
冬キャンプでは、活動シーンごとに手(グローブ)に求められる役割が大きく異なります。
「設営」「料理・焚き火」「就寝」、それぞれのシーンに最適化されたグローブを使い分けることが、快適さと安全性を保つ鍵となります。
1. 設営用グローブ:作業性と防寒性の両立
キャンプの設営・撤収は、冬キャンプで最も過酷な作業の一つです。
かじかむ手でテントポールを組み立てたり、凍った地面にペグを打ち込んだり…。
ここでは「作業性」と「防寒性」を両立させるグローブが必須です。
指先の感覚を失わずに、しっかりと手を保護することが最優先です。
防水・防風機能があり、かつ指が曲げやすいものを選びましょう。
✅ 1段階: 自分の手にしっかりフィットするか(大きすぎない)
✅ 2段階: 防水性、または撥水性が高い素材か
✅ 3段階: 手のひらに強力な滑り止め(グリップ)があるか
✅ 4段階: インナーグローブを装着できる余裕が少しあるか

2. 料理・焚き火用グローブ:耐熱性と安全性
キャンプの醍醐味である料理や焚き火。
しかし、熱いダッチオーブンを掴んだり、火の粉が飛んできたりと、危険も伴います。
このシーンでは、耐熱性・耐火性に優れた「レザーグローブ(革手袋)」が活躍します。
• 軍手や防寒用グローブでの作業は絶対に避けましょう。
• 熱で溶けたり、火が燃え移ったりする危険があります。
• 濡れた革手袋は熱伝導が早くなり火傷の原因になるため、乾いた状態で使いましょう。
焚き火の薪をくべるときも、料理で熱い鍋を持つときも、手首までしっかり覆うことができるロングタイプのレザーグローブがおすすめです。

3. 就寝用グローブ:究極の保温性と快適性
シュラフ(寝袋)に入っても、手足などの末端は冷えやすいものです。
特に指先が冷えると、寒さで眠れなくなってしまいます。
就寝時は、汗をかいても冷えにくい、保温性・透湿性に優れた素材を選びましょう。
就寝用には、締め付け感がなく、柔らかい素材が最適です。
• ウール(メリノウール): 保温性と吸湿速乾性に優れ、濡れても冷えにくい最強の素材です。
• ダウン(羽毛): 非常に軽量で高い保温力を持ちます。「テントシューズ」のグローブ版(ミトン)も人気です。
• フリース: 肌触りが良く、手軽に使えます。
日中に使った濡れた手袋や、作業で汚れた手袋をはめて寝るのは避け、必ず「就寝専用」の乾いたグローブを用意してください。

上級テクニック:賢い「レイヤリング(重ね着)」術
さらに快適さを追求するなら、「レイヤリング(重ね着)」がおすすめです。
これは、薄手のインナーグローブと、防水防寒のアウターグローブを組み合わせる方法です。
• 温度調節が自在: 暑くなればアウターを脱ぎ、インナーだけにすることができます。
• 細かい作業に対応: アウターを外し、インナーグローブ(スマホ対応のものも多い)だけで細かい作業が可能です。
• 濡れ対策: インナーが汗を吸い、アウターが外からの濡れを防ぐため、常にドライな状態を保ちやすくなります。
インナーにはメリノウールや化繊の薄手グローブを、アウターには設営用で紹介したような防水・防風性の高いグローブを選ぶと最強の組み合わせになります。

まとめ:最適なグローブで、安全・快適な冬キャンプを
日本の冬キャンプにおいて、「たかが手袋」と侮ってはいけません。
「設営」「料理・焚き火」「就寝」という3つの異なるシーンで、それぞれに特化したグローブを使い分けること。
それが、指先のかじかむ辛さから解放され、冬キャンプの美しい景色と静けさを心から楽しむための最も重要な準備です。
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最後のアドバイス グローブは、あなたの「第二の皮膚」です。 |
この記事が、あなたの冬キャンプをより安全で快適なものにするための一助となれば幸いです。
万全の準備で、忘れられない冬の思い出を作りましょう。
